那珂川水戸市域の流域防災調査

 こんにちは!学部3年の片根です.先日,学部生・院生合わせて6人で水戸調査に行ってきました.茨城県水戸市は,私の出身地で,卒業研究の対象地としているため,研究室メンバーにもご協力をいただき,訪問しました.初めて水戸に来た,というメンバーも何名かいたようです.水戸市役所へのインタビュー調査を通して,令和元年台風19号水害時の対応やその後の防災対策をより深く学ぶことができました.

 1日目は,茨城,そして水戸を知るということで,茨城県大洗水族館や那珂湊市場など海岸周辺を観光しつつ,大洗サンビーチにある津波避難施設を見学しました.施設の中には入れませんでしたが,実際に見ることで,海からの距離や施設の高さなどを確かめることができました.その後,水戸方面に戻ってきて,水戸芸術館や偕楽園などを訪れました.水戸の街並み,雰囲気,改めて良いなと思った一日でした.

 2日目は,午前中に水戸市役所にインタビュー調査に伺い,午後,水戸市内の那珂川周辺を現地調査する,という流れでした.インタビュー調査では,水戸市役所の職員の方に,事前にメールにてお送りした調査内容を中心にお答えいただきました.インタビュー調査の中で特に印象的だったことは,台風19号の避難の際に,水戸市役所の方が,避難行動要支援者(高齢者など)の家を一軒一軒訪ね,避難を呼びかけ,さらに車で避難所まで送り届けた,という支援の手厚さです.このような対応をしている自治体は聞いたことがなかったため,とても驚きました.研究室メンバーも,市役所の方と積極的に意見交換をしていて,とても良いインタビュー調査になりました.

 午後の現地調査では,ハザードマップを持って,水戸市内の那珂川沿岸を調査しました.ハザードマップで示されている水害の浸水範囲と現地の様子を見比べたり,避難所の位置関係を確かめたりしました.4年前,私は災害ボランティアとして現地を訪れていたので,穏やかな那珂川を見て,当時の様子を思い出し,改めて水害の恐ろしさを感じました.

 最後に,参加したメンバーの感想を紹介します.

  • 市役所の方のお話を聞いて,災害が来ることも知ったうえで,この土地を選んで住んでいるということがとても印象に残っています.そのような方々に避難の初動をどう早めてもらうかというところが大きな課題だと感じました(B3, H.W.さん)
  • 行政職員が自ら動いて非難行動要支援者の救出に向かったことと,台風19号の被害の大きさに対して死者0人で済んだことが驚きであった.水戸市の防災対策の厚さは,市長の思い入れの強さゆえとのことだったが,水戸市の行政や市民性など歴史的な特性が上記の行政対応や被害を抑えた要因になっている可能性があると思った(M1, C.Y.さん)

 今回の調査を通して,水戸市の防災活動や自主防災組織の実態を知る事が出来ました.調査で見聞きしたことをもとに,卒業研究をさらに深めていきたいと思っています.

那珂川水戸市域の流域防災調査」への1件のフィードバック

  1. 教員T.I.

    両日とも,大変に充実した調査になりましたね.
    研究室メンバーも水戸訪問は初体験だったメンバーも多く,片根さんのガイドと地元愛,とても伝わってきました.

    返信

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