気仙沼鹿折・階上フィールドワーク

 こんにちは!学部3年の渡邉です.
 先日,宮城県気仙沼へ調査に行ってきました.学生からは学部3年生の4人が参加しました.研究室の活動として東北に行くのは4人とも今回が初めてです.東日本大震災で大きな被害を受けた地域を自分たちの目で確かめることができ,実りのある調査になったと思います.今回は,その調査の様子を報告いたします.

 11月13日の午前中は鹿折地区でまち点検のワークショップに参加しました.ワークショップでは,土砂災害の際に危険が及ぶと考えられる箇所を地元の方々と見て回り,撮った写真や感想を地図にまとめました.まちあるき,話し合いを通してその地域に住んでいるからこそわかる危険性や,新たな気づきを得ることができてよかったです.
 ワークショップ終了後は東日本大震災に関連する施設などを回りました.まず,気仙沼市復興祈念公園です.この公園には,この地域において東日本大震災で亡くなられた方の名前や年齢が刻まれたプレートが設置されています.また,公園からは海や港を眺めることもできます.海は,気仙沼に津波という大きな災害をもたらしました.しかし,現在もなお,気仙沼は海とともに生きているまちであるということが感じられました.
 その後,気仙沼市の復興住宅を見に行きました.この復興住宅は,もともと小学校があった場所に建てられています.住宅の入り口に小学校の名前や校章の入った石碑が残されており,震災前の地域の様子が感じられる場所となっていました.住宅自体は,1階部分に住居がなかったり,津波の避難場所に指定されていたりと,災害に対応したものでした.
 最後に,気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館やその周辺の防集,一戸建ての災害復興住宅を見に行きました.伝承館では,東日本大震災の津波の様子を知ることができました.被災した高校が遺構として残されており,視覚的にインパクトのある体験になりました.伝承館の内容についても学ぶことはとても多かったのですが,今回の報告では特に,その周辺を回って感じたことをまとめたいと思います.
 伝承館の周りでは海の近くを移動することが多かったのですが,海との近さをあまり感じなかったことが私としては印象に残っています.大きな堤防によって海とまちが隔てられているように感じました.海の近くは空き地も多かったことから,海と物理的な距離を置くことで災害のリスクに備えるという方向性を持ったまちだと感じました.「海が見えるまちづくり」というコンセプトの女川のまちづくりについて,最近個人的に調べていたのですが,その点で対照的だと感じました.どちらが良い,正しいというわけではなく,災害や海に対して様々な捉え方があるということを改めて学びました.
 都市防災・災害復興研究室に所属する身として,今回の調査はとても有意義なものになったと思います.気仙沼で得た学びや気づきを今後の卒業研究に活かしていきたいです.

気仙沼鹿折・階上フィールドワーク」への1件のフィードバック

  1. 教員T.I.

    初めての気仙沼訪問,鹿折まちづくり協議会のみなさんの真剣で闊達とした地域防災の取組みの現場を体験できたこと,貴重な経験になりましたね.伝承館での学びも短時間でしたが,多くのことを吸収された様子,何よりでした.

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