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上柚木防災ワークショップ2022

 こんにちは!学部3年の長尾です.今回は,2022.10.23に愛宕小学校にて行われた「上柚木地区防災ワークショップ」についてレポートします.学部3年生の4人にとっては,配属されて初めてのワークショップであり,地域の方々や中学生との関わりの中で様々な気づきや学びが得られました.今回のレポートでは,その内容と準備・当日の様子について記載します.

準備段階

 9.16に行われた打ち合わせでは,研究室メンバーと,愛宕小学校・上柚木中学校の役員の父母さんが初めて顔を合わせました.役員の皆さん同士とても活発に議論を交わし,議論の中で昨年度の反省を活かした様々な提案をされている熱心な姿が印象に残っています.約1か月後のワークショップ当日に向け,研究室メンバーも班に分かれ,防災を身近に感じてもらえるような体験・ディスカッションに向けた準備を行いました.八王子市や消防団等の協力のもと,グループトーク,9種類の体験ブース,小学生の防災ワーク,展示の準備が進められ,市古研では,「古地図ワーク」「台風情報と判断行動」に関するグループトーク,災害用トイレ実験を担当しました.

当日の様子

 当日は,保護者の方,中学生,地域住民などが参加し,委員会役員や市職員なども合わせ総勢331名という規模での開催となりました.役員の方のお話では,「今回のワークショップを気づきのきっかけにしてほしい!」との思いが語られ,自分自身も参加する中で地域の方とともに新しいことを発見できたように思います.

 私の担当したグループトークでは,まず前半に「上柚木地区での発生に不安を感じている自然災害」,「家庭でどんな備えをしていますか?」という共通のテーマのもと,ディスカッションを行いました.近隣に川があるということで大雨の時の水害を不安に感じる声,また高いところに住んでいる住民からは建物倒壊のリスクを考え地震を不安に思う声もあがりました.家庭での備えとしては,水や食品という声が多かったですが,モバイル充電器や衛生用品,現金など,ディスカッションを深めていく中で実際の様子を想像した様々な案が出されました.こちらとしても勉強になり面白かったです!後半は,「気象情報と判断行動」ということで,台風情報の入手手段や,避難先,状況判断のディスカッションを行いました.自宅外避難先に関して,決めていないという方も多く,「上柚木地区は高台にあるので大雨の警戒情報等が出ても危険をあまり感じない」という声がありました.また「両親が遠くにいるので心配」という声もあり,気象庁や自治体からの情報・指示を確認すること,地域での助け合いの必要性を班の中で認識することが出来ました.最後には中学生から,「思ってたより固くなく,楽しめた!」,また保護者の方からは「避難について勉強になった」との声を頂き,それぞれの中で学びになっているようで嬉しく思いました.

研究室メンバーの感想

 最後に参加した研究室メンバーの声を紹介します.

  • ワークショップにファシリテーターとして参加して,住民の方々の防災意識の高さに驚きました.特に中学生が,災害時には弟(小学生)に動いてほしくないから,小学校に集合するように家族で決めていると理由まで含めて言っていたのが印象的でした.(気象情報班・B3)
  • 大規模なニュータウン開発による大規模な地形改変が付箋の内容としては多く,主に南大沢駅がかなり盛り土されていることに驚く声が多かったです.また,上柚木公園やマンションの名前を出し,この場所は盛り土なのかどうなのかという話もあり,自らの感覚を基に街のことを理解してもらうことができたかなと感じています.(古地図ワーク班・M1)
  • 体育館での最後の関係者の皆さんの総括のお言葉を聞く中で「防災は他人事に考えがち.朝ごはん昼ごはん夜ご飯防災,ってなるほど当たり前に考えて話すようなもの,習慣化するべき.」「忙しいと意識が薄れる,防災や災害を自分ごととして考える意識が大事」というお話が大変印象に残っている.(災害用トイレ実験班・M1)

神戸調査報告Vol.1(1日目,2022/9/1)

こんにちは.都市防災・災害復興研究室4年の谷井です.
先日,研究室メンバーで3日間の神戸調査に行ってきました.祖父母が神戸出身で,小さい頃から阪神淡路大震災の話題には触れてきた背景があり幹事を務めさせて頂いたため,簡単に1,2日目を振り返り,報告したいと思います.

1日目

人と防災未来センター

 朝一の飛行機で神戸に到着し,まず「人と防災未来センター」を訪れました.
現地で昨年卒業されたOGの方とも合流し,阪神淡路大震災が起こった当時の様子を音や映像でリアルに体感したり,発災後の混乱の状況や復興の道のりについて,理解を深められたりました.個人的には,発災から27年経つ阪神淡路大震災を,やはり少し遠く過去のことだと無意識に感じていた節があったため,当時の写真や映像・被災した手紙やものを直接見て,被災規模の大きさと神戸の人々の生活にもたらした影響に改めて気付かされました.比較的有名な高速道路の倒壊等だけでなく,1人1人の生活や平穏が一瞬にして奪われた様子を鮮明にイメージさせられたと同時に,十人十色の震災復興への捉え方・臨み方があったことも理解できたと思います.総じて,この旅程を組んだ身としても,強烈な一発目になりました.

東遊園地 村上工務店・村上さんとのディスカッション

 人と防災未来センターとは打って変わって,現在進行中のプロジェクトについてお話を聞き,濃密なディスカッションをすることができました.

※東遊園地・URBANPICNICとは
 神戸市役所の南に位置する東遊園地(公園)は,都心部のオープンスペースにも関わらず,年数回のイベント以外日常的な利用がされていませんでした.
・これを上手く有効活用できないか
・市民のアウトドアリビング(屋外の共有空間)として活用すれば三ノ宮駅周辺都心部の魅力を高められるのではないか
 という仮説から,村上さんらが2015年から開始したのがURBANPICNICという公園内での社会実験です.

 最初に,URBANPICNICの設立から変遷,今後の計画を図面等も用いてお話頂き,特別に工事現場を実際に見させて頂いた後,質問・ディスカッションをしました.社会実験スタート前は,市の公園課の職員らの反応は良かったものの,それを一緒にやるほどの時間と余裕が無いのが実状だったそうです.しかし,2015年に期間限定で社会実験をスタートさせてから,立地的に隣が市役所だったことで公園を中心とした賑やかさの変化が公園課職員にも伝わっていった結果,Park-PFI制度によって事業者の公募が行われ,村上さんの会社(株式会社村上工務店)が整備・運営主体となりました.
 村上さん方は,東遊園地が市民のキャンパスとして繰り返し訪れて楽しんでもらえるような公園となるため,カフェ・レストラン・貸しスペースが融合したにぎわい拠点施設(仮称)を中心に,公園内でのイベント開催や市民のアクティビティを促進する主体となっています.
 個人的には,整備される前の,毎年数か月間の限定的な開催かつレイアウトやテーマ内容が異なっていたからこその面白さもあったのではないかと考えたため,施設を作って主体となり継続的に運営したい理由を,村上さんにお聞きしました.すると,「もちろんその面白さもある.ただ,常駐しないとひっくり返せないものもある.まだこの場所の可能性が咲き誇っていないのがもったいない.」というお話をされていて,それが自分の腑に落ちたと同時に,淡々とお話される中にある村上さんのこのプロジェクトへの熱意を感じることが出来ました..
 他研究室メンバーからの質問やディスカッションも多く起こり,総じて本当に良い時間を過ごさせて頂けたと思います.

鷹取コミュニティセンターTCC・村上さん 野田北部まちづくり協議会・当時役員石井さん

 阪神淡路大震災で火災の延焼による大きな被害を受けた野田北部地区に関して,その復興コミュニティやボランティア・在日外国人との関わり合いも非常に重要なテーマです..
 そのため,1日目の最後は震災当時在日ベトナム人を中心として支援を行い,ボランティア活動の拠点となったカトリックたかとり教会を訪問し,センターの村上さん・当時野田北部まちづくり協議会で役員を務めていた石井さんからお話を伺い,焼け野原になってしまった野田北部の,復興過程とその苦労・人々の繋がりについて理解を深めることができました.

1日目の研究室の活動は以上となります.
2日目の活動に関しては,またVol.2としてまとめたいと思います.

研究室最大イベント:復興の風景とナラティブ調査に向けて

 TMU_DR-Lab.のほぼ唯一と言ってよい全員参画活動として「復興の風景とナラティブ調査」があります.復興の風景とは,復興の地に身を置いて身体感覚で考えること,復興のナラティブとは,災害からの回復を果たした地域の市民の声に耳を傾け,その物語を継承する営みを指します.
 これまでに,
・2014/2月東松島・石巻(東松島スマイルコミュニティなど)
・2015/2月石巻(石巻市内の仮設住宅コミュニティなど)
・2016/2月亘理町・東松島(鳥の湖,宮戸地区など)
・2017/2月気仙沼・女川(唐桑舞根地区,ゆめカフェなど)
・2018/2月四川地震(成都市など)
・2019/2月福島県南相馬(原発災害からの子どもたちの回復など)
・2020/2月大船渡・陸前高田
・2020/9月中越復興(長岡・小千谷,山古志村)
・2022/2月大船渡・気仙沼・石巻(キャッセン大船渡,気仙沼復興伝承館など)
 でした.コロナ禍で企画準備しつつも中止した時期もありました.
 現在,2022/9/1-3で神戸調査を研究室メンバーがそれぞれ分担して,訪問地の復興の経緯,関連する報告や論文の読み込み,そして訪問して話をお伺いする方への相談を進めています.8/15には,3時間をかけて,事前学習会も行いました.今回は,まずは人と防災未来センターで,それぞれが阪神淡路大震災を知る・深める時間を設けた上で,三宮中心部のまちづくり,小林郁雄さんとのディスカッション,たかとりコミュニティセンター,防災空地調査,神戸郊外ニュータウンなどの調査準備を分担して進めています.
 神戸調査,研究室メンバーにとって,きっと大事な経験になることでしょう.その成果についてはまた,ホームページで報告したいと思います.

【教員T.I.より】

研究室の日常(2022年5月バージョン)

 こんにちは!M2の北沢俊悟です.
 今回は「研究室の日常」というテーマなので,脚色なし,ありのままの様子をお伝えできればと思います.
 基本的に研究室にいるのは私だけで,たま~に研究室メンバーや他の研究室の人も研究や勉強をしに来ることがあります.というのも,M1のみなさんは前期の授業が忙しく,また院生室という大学院生が集まる場所で楽しくおしゃべりや,お勉強をしているからです.また,B4のみなさんは必要単位を取り終えているため学校には来る機会が少なくなっているみたいです.そんな中,B4の山本さんは部活のある月・水・金・土曜日に,研究室で集中している姿をよく見かけます.さすがです.それでも,研究室ゼミは2週に1回対面で行っているので,その日は全員学校に集まり,ゼミの後は,一緒にお弁当を買って,お昼ご飯を食べるほど仲良しです(写真1枚目).
 また,みなさんそれぞれどこかへ旅行に行った際には,研究室にお土産を買ってきてくれるのも市古研究室のいいところです.GW明けの日は,各地のお土産であふれかえっていました.研究室によくいる身としてはこの上ない喜びです.
 最近の研究室プロジェクトでは,6/1~2に伊豆大島に訪れました.そこでは,レンタカーを借りて名所を巡りながら島一周するなど観光を楽しみつつ,プロジェクトに従事しました.このように,研究室プロジェクトで各地に訪問できる機会が多いことが市古研究室の特徴であり,いつも勉強になるとともによい思い出になります(写真2枚目).
 みんな年齢はバラバラですがお互いあだ名で呼びかけたり,ため口で話したりするのは仲のいい証拠なんじゃないかなと思います.この記事を見てくださっている中には,市古研究室に入ろうと考えている方もいると思います.研究室では各々の研究対象地の定期的なまちあるきや,研究室旅行(今年は神戸)など仲良くなれる場がたくさんあるので楽しい研究室ライフを過ごせると思います!

港区青山での震災復興まちづくり訓練-地域と企業による共創のレジリエンス-

 こんにちは! 市古研究室学部3年の城野健太朗です.今回は2021年11月から全4回にわたって行われた「港区青山地区震災復興まちづくり訓練」についての報告です.

 「震災復興まちづくり訓練」は,防災訓練が災害直後の行動を訓練するのに対し,被災後,中長期的な目線に立ってまちの再建について,事前に地域で話し合い,災害によって生じる課題を解決する力をつける訓練を指します.今回は青山地区を3つに分けて行いました.

 第1回は,市古先生による「現代都市の震災と復興について備える重要性,及び,最近の復興事例」という講演がされた後,ガイダンスを受け,第2回で行うまち歩きのルートを各班で決めました.各班,防災資源や危険な場所を挙げ,1時間で回れるようにルートを練っていました.

 第2回は,第1回に各班で決めたルートをもとにまち歩きをし,具体的な被害が想定される箇所と,防災や復興に役立つ資源を巡り,カメラで記録しました.そしてまち歩きでの気付きをもとに各班で復興課題について考え,模造紙にまとめました.青山の特徴としては入り組んだ路地とそこにあるブロック塀や電柱の危険性,オフィスを構える各企業の取り組みという防災資源が多く挙がりました.

 第3回は,これまでのブロックごとの3つの班を解体し,「復興の進め方」「ハード面の復興まちづくり」「生活回復の取り組み」というテーマの中から関心のあるものについて,震災発生から1ヶ月ごろという想定で被災後の取り組みについて考えました.ハード面の復興について考えるグループの話し合いの中で,国道246号線(青山通り)にある歩道橋は撤去すべきという意見が満場一致になっていたことがとても興味深かったです.

 そして最後の第4回は,震災発生から3~6か月頃をイメージして,地域の復興体制と,これまでに出された復興課題をブロック別に検討しました.また,青山を対象に卒業研究を進めている城野から,学生目線の意見発表を行う時間をいただきました.

 この訓練を通して「青山地区の防災・復興」について地域住民の方々を中心に,エリアマネジメントを行う専門家,区の職員,学生という様々な立場の人々が,それぞれの視点から考えることの面白さを強く感じました.ネット検索では拾えない地域の歴史やコミュニティの情報や,都市計画や都の条例による行政の事情など,幅広い知見を得ることができました.この訓練で得た学びとご縁は自身の研究に最大限活用していきます.応援よろしくお願いします!

よこはま駅まちあるき-駅まちづくりとBOSAI-

 B3の山本真祐子です.今回は2022年1月24日に行った「横浜駅地区まちあるき」について報告いたします.私は卒業研究の対象地を横浜駅周辺地区に設定しており,「横浜を知る」ことを目的にまちあるきを行いました.

 ルートは横浜駅周辺地区安全確保計画に記載されている帰宅困難者一時滞在施設や津波避難施設,駅東西の連絡通路や屋外の歩行者デッキを回れるように以下のように設定しました.

0.JR横浜駅改札集合
① 横浜駅中央通路
② JR横浜タワー
③ ラウンドワン(帰宅困難者一時滞在施設)
④ HOTEL THE KNOT(帰宅困難者一時滞在施設)
⑤ タカシマヤローズホールビル(津波避難施設)
⑥ HOTEL PLUMM(津波避難施設)
⑦ 沢渡中央公園(帰宅困難者一時滞在施設)
⑧ 横浜市民防災センター(帰宅困難者一時滞在施設)
⑨ かながわ県民センター(津波避難施設/帰宅困難者一時滞在施設)
⑩ はまレールウォーク
⑪ 横浜駅きた通路
⑫ はまみらいウォーク
⑬ 日産本社(津波避難施設/帰宅困難者一時滞在施設)

 帰宅困難者一時避難施設や津波避難施設は受け入れ可能であることが外からわからず,土地勘がない人は災害時にどこに逃げ込めば良いのかわからなくなり,駅や駅周辺の施設に多くの人が集中することによる混乱が生じるという課題を抱えていると感じました.

 横浜駅周辺地区の特徴として,東側には海があり,海に向かって二級河川の帷子川が流れていることが挙げられます.津波避難施設のタカシマヤローズホールビルに設置されていた非常階段に鍵がかかっていたことや,帷子川の水面と道路や線路が平常時でも近いことから,「水」による被災リスクがとても高いと感じました.

 現地調査を終えて,横浜駅を挟む東西の特徴の違いに興味を持ちました.駅の東側は高層ビルが立ち並ぶオフィス街になっており,海をバックに都会的な景色が広がっており,西側は駅周辺には小〜大規模の商業施設が立地しており,少し駅から離れると住宅街が広がっていました.これは横浜駅周辺地区で行われてきた再開発の経緯や主体が異なるためですが,この再開発を受けて当該地区の災害リスクや防災資源がどのように変化してきたのかについて卒業研究で深めていきたいと思っています.横浜は私にとって身近な場所でしたが,まちを初めてじっくり歩いてみて,まだまだ知らない横浜があると感じたので,またお散歩に行きたいです.研究室の先輩方や今回予定が合わなかった同期の2人も誘いたいと思います.

多摩ニュータウンでの地域防災のおてつだい:上柚木地区防災ワークショップ&南大沢地区合同防災訓練

 イベントもりだくさんの秋!市古研究室ではここ数年来、上柚木地区と南大沢地区にお世話になっております。研究室みんなで力を合わせて、これらの地区の防災活動をお手伝いをしました。

 上柚木地区では、「防災ワークショップ」として、小中学校にて地域住民を対象として、2011年から防災学習や学校避難所運営をテーマとした活動が行われています。今年は「グループ・トーク」として4テーマに分かれ参加者で議論を行いました。
・トークテーマ
 テーマ①家庭日常備蓄および災害停電時の電源確保
 テーマ②災害ご近所 LINE がもしあったら!
 テーマ③東京マイタイムラインワーク
 テーマ④古地図読み解きワーク 

 研究室ではうち2テーマ「③東京マイタイムラインワーク」「④古地図読み解きワーク」の運営を担当しました。地域の方や先生に考えていただいたテーマをもとに、「どういう前提知識が必要なんだろう?」「どうしたら議論が活発になるかな」など、学生たちで試行錯誤してプログラムを提供しました。
 当日は感染対策で限られた時間ではありましたが、普段の暮らしの経験から防災を考えていただきながら、住み慣れた方ならではの興味深いご意見を伺うことができました。またアンケートでは、「マイタイムラインを活用してみようと思えるきっかけとなった。」といったご感想をいただき、とても嬉しかったです!

 南大沢地区においては毎年様々な活動が行われており、今年は「南大沢地区合同防災訓練」として、3グループに分かれたグループトークを実施しました。
 ・トークテーマ
 テーマ①戸建て住宅の町会自治会 防災の取り組み共有
 テーマ②集合住宅の自治会 防災の取り組み共有
 テーマ③避難所開設訓練(グループトーク前に実施)の振り返り

 こちらは提案段階から参画させていただきました。提案内容の考案から地域の方々の企画の動かし方、コミュニケーションプロセスなどを現場で感じることができ、貴重な経験となりました。
 当日は書記や撮影を担当し、各町会自治会で防災リーダーをされている方々の貴重なご意見をいただき、学びの多い機会となりました!

 地域の皆さまとの温かい関係のもと、学域や研究室での学びを還元する機会をいただき、非常に有難く存じます。今後とも様々な地域でお役に立てればと考えておりますので、宜しくお願いします!

(M2 奥村潤)

池袋都市再生ツアー

市古研究室修士1年の北沢です.2021年9月30日に行った,池袋都市再生ツアーについて報告いたします.今回のまちあるきのポイントは,池袋駅周辺の再開発された場所を中心に見て歩くこと, IKEBUSに乗って「池袋」を眺めること,そして新しく研究室に入ってきた学部三年生との親睦を深めることの3つです.

ダイヤゲート池袋をスタートに,池袋駅中央地下通路を通って,Hareza池袋・中池袋公園へ.その後,南池袋公園で休憩し,IKEBUSに乗ってIKE・SUNPARKへ行くというルートでまちあるきをしました.また,私の研究対象地が池袋であったため,まちあるきと並行してプレ調査も行いました.内容としては,研究室のメンバーの方に街歩きで訪れる場所ごと,「買い物や観光で来街した際(平常時)に,魅力的だと感じた点」,「直下型地震(災害時)で駅前滞留者になった際に不安な点」について答えてもらいました.

ダイヤゲート池袋は「国際アート・カルチャー都市」の実現に向けて魅力ある街づくりが進められている池袋の新しいランドマークとして期待されています.特徴的なデッキは西武池袋線の線路上空を覆うように伸びており,そこでは親子連れが遊んでいたり,サラリーマンが休憩しているなど,居心地の良い空間が広がっていました.大規模な地震などが発生した際には,帰宅困難者をビル内に受け入れるなど,区と連携協力しているところに安心を感じましたが,オフィス感が強く社員ではない人にとって閉ざされた印象を持ってしまいそうでもありました.

Hareza池袋・中池袋公園周辺は,建築物や道路など4つの街区を一体的にデザインしているため,オープンスペースに広がりを感じました.ここには,アニメイトや映画館があるなど文化の街・池袋らしく若者で賑わっていました.災害時にはHareza池袋と中池袋公園が一体となって,情報や水といった提供の場所になり,安心できそうな空間ではあるが,近くに飲食店が多く,出火するのではないかという不安も感じました.

南池袋公園は芝生広場を中心として卓球台や遊具があるなど子供から大人まで人気の高い公園となっています.開放的でおしゃれな公園であるとともに,備蓄倉庫や災害トイレの整備がなされていることから,どの世代の方にも魅力ある公園だと感じました.ですが,有名な公園だからこそ災害時にたくさんの人が避難してきてしまい混雑になるのではないかという不安も感じました.

IKE・SUNPARKは,広々とした芝生広場を始めとして,ドッグランスペース,カフェや「KOTO-PORT」と呼ばれる小型店舗など様々な人が集まる魅力的な公園になっています.

災害対応用のヘリポートや防災井戸,備蓄倉庫なども設置され,非常時には防災拠点として重要な公園になっていることから,平常時から安心して過ごせると感じました.

子供を広場で遊ばせて,親はお茶休憩をしている姿が多く見られるなど,南池袋公園より親子連れに人気の公園であると感じました.

今回のプレ調査で一番災害時の不安を感じたのが池袋駅中央地下通路です.池袋駅中央地下通路は鉄道4社8路線のほかに,パルコなどのショッピングセンターが多くあることから災害時の混雑が予想されます.ここでは災害時に,どの事業者,どの立場の方が地下利用者を誘導するのか,どの事業者がどこまでの範囲の人を誘導するのか,他の鉄道会社やバス会社の運行状況をどのように共有するのか,夜間や閉店後はどう対応するのか,など不安な点が多く挙げられました.地下空間が複雑な空間だからこそ,すべての事業者の連携が必要不可欠であり,地下空間の人的資源をどう活用するのかも課題であると感じました.

今後の研究で池袋駅中央地下通路の災害時の連携について整理を行い,事業者や豊島区の方にお話を伺い,理解を深めることが出来たらと考えています.最後になりますが,研究室の皆さんとIKEBUSに乗車をしたり,芝生の上に座ってお話したことは良い思い出になりました.

六本木地区の地域防災研究

 こんにちは.学部4年の眞武勇人です.今回は2021年8月に行った六本木ヒルズ現地調査について報告させていただきます. 今回は,「『逃げ出す街』から『逃げ込める街』へ」というテーマを掲げている六本木ヒルズにおいて,発災時に六本木ヒルズのどこから,どのようにして逃げ込むことができるのか分析することを目的に現地調査を行いました. まず,オフィス棟(森タワー)及び商業施設が位置する北側には,東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線が乗り入れる六本木駅があるため,地下からのアクセス箇所が5つありました.

 その一方,居住棟(ヒルズ・レジデンス)が位置する南側は,居住者の車専用出入口,レジデンスのエントランスばかりで,内側へのアクセスを可能にしているのは歩道橋一本だけでした.発災後の対応として,この歩道橋を封鎖することによって,レジデンスへのアクセスはエントランスと内側からのみとすることができ,防犯面でも役立つように感じました. また,居住棟からオフィス棟へ区画の外側から回ると距離がありますが,この歩道橋によって居住棟からオフィス棟周辺へのアクセスを容易にしていました. この2箇所から,オフィス棟へは駅からアクセスがしやすく,居住棟へは外からのアクセスは難しいが,内側から外へのアクセスは容易となるような設計をしていることがわかりました. また,この設計を可能としているのは,高低差約17mの開発以前の地形であると考えます.この高低差が六本木ヒルズの空間の融合と分離を可能にしているように感じました.この設計により,居住者のプライバシーを厳守しつつ,駅周辺や商業施設内で発生した帰宅困難者の受け入れを可能にしていると考えました.

 今後,実際に六本木ヒルズに住まれている六本木ヒルズ自治会の方にお話を伺う予定です.六本木ヒルズ自治会の活動についてや,プライバシーの厳守に努めているレジデンスにおける発災時の不安等を伺い,さらに六本木ヒルズ・麻布地区について理解を深めたいと考えております.

伊豆大島一中での防災授業支援活動2021

 市古研究室学部4年の田中です.2021年6月に行った,大島町立第一中学校での防災プログラムについて報告いたします.

 伊豆大島は三原山の噴火だけでなく,豪雨による土砂災害や地震・津波など様々な災害の危険があります.今回は2013年10月の台風により被災した土砂災害地の「いま」を学ぶことを目的に,災害地のフィールドワークを行いました.

 フィールドワークでは,まず御神火スカイラインを訪れました.山の中腹から町を見下ろし,土砂が流れた場所とそうでない場所で木々の色や高さが異なっていることを確認しました.昨年の11月に訪れたときは山から町,そして海へつながっていく景色の美しさに目を奪われましたが,改めて見ると流れた土石流が町を飲み込んでしまいそうなほどの山の大きさ、また町の小ささを感じました.

 次に復興祈念公園から堆積工に向かい,大金沢に沿って海まで歩いていきました.復興祈念公園の一角には土砂災害で流されてしまった家の土台部分がそのまま残されています.ほとんど構造物や高木がなく,その綺麗さや開放感が印象的でした.

 大金沢沿いは様々なハード対策が行われています.堆積工では,子供だちとともに,ただ土砂を食い止めるのではなく,少しずつ下流に流すスリット式になっていることを学びました.また,流路工は自然の少なさが印象的でした.大金沢の河口付近はまだ工事中だったため,完成した暁にまた訪れたいです.

 中学生と話していて,津波と噴火それぞれの危険区域に自宅が含まれているか,理解していたことに驚きました.島は狭いと言う意見も聞きますが,この土地ならではの魅力や,この土地で育ったならではの知識を活かしていって欲しいなと感じました.

 伊豆大島の防災プログラムに参加するのは2回目でしたが,災害からの「いま」を改めて学んだだけでなく,祈念公園のフットサルコートが完成していたり,流路工の工事が進んでいたり,前回に対する「いま」を確認することができました.

 湘南地域出身の自分は,遠足などで海に行くと「あそこに見えるのが大島だよ」とよく教えられていましたが,その場から直接行けるわけではなく,ハードルの高さを感じていました.しかし研究室活動を通じて,大島という素敵な場所を身近な場所と感じられるようになり,嬉しく思います.また大島を訪れる機会が楽しみです.