こんにちは!市古研究室学部4年の鈴木です.
今回は2024年9月に行った,能登半島地震調査について報告したいと思います.
2024年1月1日に発生した能登半島地震では多くの人の命だけではなく,ふるさとまでもが失われました.そのような状況が回復しつつある中,豪雨による河川の氾濫や土砂災害により,通行止めなども発生していました.直前までどうなるか分からない状況でしたが,調査を行うことができました.
1日目は,石川県穴水町にある甲集落を訪れました.甲集落では1月の地震発生時に地盤の隆起が発生し,隆起した部分がわかる状況になっていました.
甲集落では,区長の方から震災発生時の集落の様子や避難生活についてのお話を伺いました. 震災以前から築かれていた地域の絆があったからこそ避難生活や避難所運営が上手くいったという貴重なお話を伺い,日頃から地域内で役割分担をしながら活動していることが有事にも役に立つということを改めて実感することができました. また,集落内を歩いていると,地震で傾いた自宅を自力で修復した方にお会いしました.昔から馴染みのある自宅やふるさとに対する強い想いを感じるとともに, 住まいの再建についてより丁寧に考えるべきであると気付かされました.
2日目は金蔵集落を訪れました.金蔵集落は里山風景や棚田の美しい風景が広がっている地区で,地震や豪雨による被害の爪痕は残されていましたが, 自然豊かな風景を実際に目にすることができました. 金蔵集落では,井池様にお話しを伺いながら,棚田やお寺などの集落資源を調査しました.地域の重要な文化において,担い手不足や高齢化による課題を抱えながらも, 金蔵の魅力を発信していくための取り組みを検討していました. 金蔵地区以外に住む外部の人たちを巻き込みながら, 金蔵の魅力を伝えていくことや文化を経験することが, 金蔵地区の将来につながるのではないかと感じました.
3日目の午前は,輪島市の門前町を訪れました.道下集落では仮設住宅を見学しました.
集会所では, 居住者が心地よく過ごせる空間を作ろうと本を置いたり,石鹸づくりや体操などのイベントを行ったりしていました. 集会所にいた方にお話を伺うと,支援に頼るだけではなく,支援してくれている人を称えることや, ご自宅から花を持ち寄って集会所に置く等, 自分たちで主体的に行動している姿が印象的でした. 集落近くの海では, 地震による隆起がはっきりと認識でき,地震の威力を改めて感じました.
午後には,二手に分かれ和倉温泉と下唐川地区を視察しました.下唐川地区では, 実際に住まわれている方のご自宅を拝見させていただきました.下唐川地区では, 地震発生による土砂災害や道路の崩壊を自分たちの力で復旧させた経験をしています. 発災時にどのような対応をしたのか, 住宅でどのような暮らしをしているのか等についてお話を伺うことができました. お話を伺っている間にも, 外にある共有スペースで住民の方が集まって笑顔で談笑する様子が見られ, 住民の方々の日常を感じることができました. 仮設住宅の外からだけではなく, 中に入って住宅を見ることがなかったので, 非常に貴重な経験になりました.
3日間の調査を通して,地震の被害や影響の大きさを改めて感じることになりました. 豪雨の影響もありましたが, 崩壊した家屋や瓦礫が残されたままの状況で, マンパワー不足を感じるとともに, 完全な復旧までの道のりの長さを実感しました. 実際に被害を受けた方のお話を伺い, 印象的だったことは「ふるさと」がなくなってしまうということの恐ろしさです. 慣れ親しんだ土地や建物, 自宅がなくなってしまうということが自分の人生にどれほどの影響を与えるのかを想像するきっかけになりました.
10月にある鹿折調査でも, たくさんのことを吸収し, 学びに繋げたいと思います!