横浜大岡川源流と氷取沢調査

 こんにちは,市古研究室学部4年の伊東です.
 今回は,2024年6月に実施した横浜調査について報告したいと思います.

 今回は横浜市の南に位置する磯子区氷取沢町を訪れました.
 氷取沢町は磯子区の最南に位置する地域であり,西側を氷取沢市民の森,中心に大岡川,など自然に囲まれた豊かな街です.一方で,土砂災害特別警戒区域や浸水危険マップも地域内に広がっています.
 そんな氷取沢町は災害に対する街づくり,つまり防災まちづくりに積極的な取り組みをしています.当地域は2007年,小学校の統廃合により町内に地域防災拠点が消滅しました.災害危険度が高いだけでなく,坂道も多く高齢者を始めとして避難所への移動への難しさなど,様々な理由から防災への意識が高まりました.住民らは定例会や街歩きを行い,地域における課題と地域としての解決策や方向性を定める街づくりのプランを策定しました.それが横浜市地域まちづくりプランであります.一般的に防災に対する住民らの街づくりは地区防災計画ですが,氷取沢町は防災だけでなく,ごみや医療の問題も災害と関連付けた街づくり内容となっています.こうした防災だけでなく,地域の諸課題と結び付けた防災まちづくりが現代の街に求められているのではないかと考え,その成果と課題を研究している過程であります。
 そのため、私は卒業研究のテーマを【持続可能な防災まちづくりの構成要素とは】と設定しています.上記の理由から対象地を氷取沢町に設定しており,これまで当プランの策定においてコーディネーターの方にインタビューをするなど研究を進めていました.そして,実地踏査としては,今回初の対象地訪問だったのでとても楽しみにしていた調査でもありました.
 今回のルートとしては,大まかに3段階あります.まず氷取沢市民の森を抜け,大岡川源流域小川アメニティを目指します.次に氷取沢町における一時避難場所「氷取沢公園」・「氷取沢神社」です.最後に町外に位置する最短の地域防災拠点「さわの里小学校」がゴール地点としました.

1.氷取沢市民の森.大岡川源流域小川アメニティ

 最寄りバス停である臼杵から氷取沢市民の森,小川アメニティを経由して,氷取沢の中心地まで徒歩で向かいます.距離にして3キロもありました.当日は悪天候もあり,約1時間かけて自然の中を歩き回りました.また高低差100メートルであり,土壌がぬかるむ中滑ることも多々ありました。(笑)本来は清流のせせらぎを感じ,野鳥や昆虫など豊富な生き物たちを目にすることができるそうです.また天気が良ければ箱根や富士山も見渡せるほど,絶景も広がっています.小川アメニティ付近では,休憩所やベンチなど数多く設置されており,ハイキングコースとしても人気のスポットのようです.小川に沿って整備された小径で歩くと,より自然の豊かさを肌で実感することができて,とても気持ちがよかったです!

2.氷取沢公園.氷取沢神社

 左図は氷取沢公園の様子です.当日は,悪天候かつ平日の昼間であったため,人通りはほとんどない状態でした.まちづくりプランでは町外に移転した地域防災拠点と同じような拠点としての機能を持たせることが計画されています。ただ公園のすぐ背後が土砂災害警戒区域に設定されていることもあり,難しい点もありそうです.また公園の入り口には丁寧に植えられた花壇やイベントのチラシが多く貼られている掲示板を確認しました.当日はなかなか見ることができませんでしたが,住民の方々による地域活動も活発に行われているようです.
 続いて右図が氷取沢神社の写真です.氷取沢神社の創建年代等は不詳ですが,一説によると江戸期からあるといわれています.神社自体は大きな建物ではないものの,氷取沢の鎮守と呼ばれているように,何か神秘的な雰囲気を感じました.これは一緒に調査をしていたYさんに教えて頂いたのですが,神社は神聖なものであり,崩されたくないという想いから,より安全安心な場所に位置しているようです.神社が一時避難場所に指定されているのはこうした理由もありそうですね.

3.さわの里小学校
 最後に氷取沢町外に位置する「さわの里小学校」まで歩きました.私たちは一時避難場所である「氷取沢神社」から向かいましたが,ずばり遠いと感じました.徒歩し続けていたことでの疲労感もありましたが,横浜特有の急勾配の坂道は避難時にも大いに影響していると実感しました.また幹線道路を通って,小学校へ向かいましたが,発災時通ることができない場合,どこへ避難すればよいのか,やはり町内に拠点を持つことは必要不可欠であると考えました.また小学校に向かう道の途中には,高齢者用の施設等が多く見えました.遠い避難所に向かうことが難しい方向けに,発災時の避難場所として提供することができれば,氷取沢町における距離の問題はある程度解決することができるのではないかと感じました.

 序盤で記した氷取沢町におけるまちづくりプランには発災時だけでなく,平常時の方向性も記されています.2.で訪れた氷取沢公園を地域の拠点として,子供から大人まで平常時・非常時関わらず活用できるような計画内容です。掲示板に貼られているイベントのチラシの数や,コーディネーターの方のインタビューより,平常時の活動にも積極的な地域であると実感しました.ここで一つ疑問に感じたこととしては,地域イベントの主催者・管理者はどのような方なのかということです.4自治町内会が存在する氷取沢町では,イベントがどのように運営されているのか,そして防災・発災時の対応においてどのように影響するのかがとても興味を持ちました.また,イベントがある日に訪れてみたいと感じました,人々のつながりや雰囲気は実際にイベントへ参加することでより住民の目線で研究を進めることができると思います.
 今後として,これまでの調査を参考にしつつ,氷取沢防災まちづくりの会の会長様に対してヒアリング調査をさせていただく予定です.質的調査がメインとなるような研究なので,言葉の整理などは慎重に行いたいと思います.

 最後に当日悪天候の中,私の調査にご協力いただいた研究室メンバーの皆さん,市古教授,誠に有難うございました.

横浜大岡川源流と氷取沢調査」への1件のフィードバック

  1. Teacher I.

    雨の中,おつかれさまでした!
    リサーチ・クエスチョンが深まりましたね.

    返信

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