研究室の過去の活動ログ(2011/10月〜2021/3月)

大学院卒業おめでとうございます

2020年度に当研究室から2名の大学院生が社会に巣立っていきました.コロナの影響で苦労も多かったと思います.3月に後輩学生さん達が「研究室おつかれさま会」を短時間,開催してくれました.とても素敵な会でした.

2021/3/20記


用地・空地に着目した事前復興まちづくり提案にむけて

今年度の東池袋地区の震災復興まちづくり訓練への研究室としての貢献として,発災時の「時限的市街地」デザイン検討ための空地マップや敷地図作成に着手. 合わせて,研究室として,発災時だけでなく,平時の「事前復興まちづくり提案」としての検討が進みつつあります.8月,10月,11月のまちづくりワークショップにおいて,デザインゲームを実施し,事前復興まちづくりの新たな方法論につなげられれば,と思っています.

2019/8/6記


豊島区東池袋での事前復興まちづくり活動支援がスタート

2019年度で豊島区内8地区目となる震災復興まちづくり訓練が,東池袋地区で実施されます.災害復興・都市防災研究室として,研究および社会貢献として参画しています. 2019/5/17に研究室メンバーで対象地域のまち点検を実施しました. 池袋副都心に接するモクミツの空間像,という視点で,何か研究室として,提案にまとめられれば,と思います!

2019/5/19記


豊島区南長崎456地区での復興まちづくり訓練

こんにちは、市古研究室修士1年の竹内です。今回は2018年5月から全4回にわたって行われた、豊島区南長崎456丁目地区での震災復興まちづくり訓練について報告させていただきます. 「震災復興まちづくり訓練」は、防災訓練が災害直後の行動を訓練するのに対し、災害発生後、中長期的な目線に立ってまちの再建について、事前に地域で話し合い、災害に伴って生じる課題を解決する力をつける訓練のことを指します.

 第1回は、グループごとにまちあるきを行い、まちの中で、災害時に危険要因となりそうな箇所、復興に役立ちそうな箇所を見て回り、これからの復興まちづくりの目標を発表しました。地元の住民の方々の案内でまちあるきをしたので、普段のまちあるきや地図上ではわからない、危険箇所や復興資源に気づくことができました. 第2回では、被害シミュレーション結果を踏まえた上で、時限的市街地をまちのどこに作るかを検討しました.近所の小学校や公園に作ることが検討されましたが、中でも、空き家やアパートの空室の借り上げなど、まちの復興資源を生かした提案がなされていたことがとても印象的でした.

 第3回では、復興の進め方と復興まちづくりの方針案を検討しました.この回では、「復興まちづくりにおける公園の使い方」や「商店街の復興」等、各テーマに沿った「屋台」が用意され、住民の方々は、関心のある屋台に参加して意見を出すかたちで会が進行していきました.僕は、「復興まちづくり工房」で、はらっぱ公園の使い方にお手伝いさせていただきましたが、避難期のテント配置や仮設住宅生活期の住宅の配置の話、仮設住宅の並ぶエリアでのペットの扱いのルールなど、ハード、ソフトの両面で避難期、仮設住宅生活期について考えるべき意見が多く挙がりました.

 最終回となる第4回目では、土地の相続から、住まいの再建、福祉に至るまで、復興に関する相談会を開催したのち、これまでの訓練成果報告を行いました。研究室からは、仮設住宅生活期におけるはらっぱ公園の使い方について、「集会所に若い人は来ない」「広場の真ん中にカフェ的な機能を持たせた空間を作ったらどうか」など、第3回にいただいた意見をもとに仮設住宅とまちの復興について話し合う施設の配置提案をさせていただきました.幅広い世代が災害後に復興に向けた話し合いを行うための時限的市街地のあり方についての提案ができたと思います.災害時、南長崎地区で救護センターとして機能する、南長崎スポーツセンターとの連携について提言できれば、地域におけるはらっぱ公園の意義、それに伴う配置計画等、より具体的な提案もできたと思います. 今後、別の地域の事前復興まちづくりに携わらせていただく機会があった際には、まちの資源を生かした、多世代に優しい復興まちづくりを想定した提案ができるよう、地域、ヒトに対してより広い視野を持って取り組みたいです.

2019/1/23記


熊本地震発災2年集落再建実態調査

こんにちは、市古研究室修士2年の小倉です。今回は、熊本地震発災2年目の集落再建実態調査での報告をさせていただきます.

 現在、熊本県では創造的復興に向けた多くの取り組みが行われています.「すまい」の再建では、仮設住宅から災害公営住宅への転居が進む時期に差し掛かっています.仮設住宅入居者の中には、仮設住宅入居期間満了後も約半数が延長を希望する現状にあります.また、再建先としては、約半数が自宅であることが分かりました.2年が経過した現在も、仮設住宅での生活を余儀なくされている状況からも伺えるように、「すまい」に関して未だに多くの課題が残されていることが把握されました。社会福祉協議会の方のお話を伺う中で、仮設住宅から災害公営住宅へ転居された後の孤独死があることを知り、避難所から仮設住宅、そして災害公営住宅へ移り住む各フェーズごとに慎重に対応していくことの重要性、そして築かれた生活のコミュニティをいかに壊さずに、復興に向かうのか、非常に難しい課題であると改めて実感しました.

 今回の調査の中では、私の研究テーマでもある、保育の視点から見た災害対応についても伺いました.熊本地震では、ほとんどの保育施設で建物被害がありませんでしたが、建物内の環境やライフラインの復旧により、保育再開の時期に差がみられました.災害後の保育再開や地域の受け皿としてのニーズは多いと認識しつつも、平常時においても定員超えの状況の中で、災害時に対応することは困難な面が多く、今後の課題であると認識されているということでした. これからも熊本地震に限らず、調査を重ね多くの知見を得て、研究の成果として、防災分野での一助になれるように尽力したいと思います.

2018/7/10記


池袋駅防災ブランディングワークショップ

首都直下地震への備えとしても関心の高い,帰宅困難者対策.2017年度,研究室として池袋駅の帰宅困難者対策の検討を提案する「池袋駅防災ブランディングワークショップ」の企画運営に従事しました.初年度でもある今年度は,地下街空間を対象に,全4回にわたるプログラムで,最終回は「大学チーム」を結成し「課題・資源マップ」と「帰宅までのシナリオ」について意見をまとめ,発表する機会を得ました.

2017/12/29記


地域安全学会2017秋大会

地域安全学会の査読論文発表会にて,当研究室から2017年3月に博士前期課程を修了した小池さんの論文発表をおこないました.

・小池潤(株式会社地域まちづくり研究所),市古太郎:東日本大震災における駅を中心とした復興まちづくりに関する研究 ー三陸鉄道を対象としてー

小池くん,おつかれさま.社会人として,ますますのご活躍を!

2017/11/20記


熊本地震発災1年集落再建実態調査

こんにちは、市古研究室修士2年の岩本です.被災集落の再建に関する研究を行っています.今回は、発災から1年が経過し、復興が始動している、研究対象地の熊本県阿蘇郡西原村と村内の集落について紹介させていただきます.

 熊本県阿蘇郡西原村は阿蘇外輪山の西麓に位置し、原野や森林が多く見られる中山間地域です.震災前は人口7049人、2652世帯を有する村であり、人口は増加傾向にあります.地区内には水田と畑が広がり、農業を生業としている人が多く見られます. 2016年熊本地震で西原村は最大震度7を観測し、死者5名、負傷者56名、家屋・建物被害は全壊 511棟、半壊以上1134棟(全家屋の 約78%)であり、布田川断層帯周辺の家屋損壊が多く見られました.村では発災当日の夜に役場庁舎に村の災害対策本部が置かれたのですが、翌日に職員が一時帰宅した後に本震が発生し、道路が寸断され、行政の初動に支障が生じてしまいました.しかし約10年前から隔年で行われていた全村民参加の避難訓練や、平時からの地域住民同士の関わりは生かされ人的被害が抑えられました.また災害対策本部については2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた東松島市へ職員を派遣していた経験を生かした運営がなされたそうです.

 ピーク時村内に6か所あった公的避難所(地元の小学校や体育館を利用)は昨年11月もって全員が退去し、2017年1月現在村の住民は1か所に集約して建設された小森仮設団地312戸に約850人、みなし仮設に146世帯の計1256名が仮設生活を送っている状況です.現在損壊した建物の解体作業が進められていて、2017年4月現在西原村は9割程完了していて、他地域と比較してとても速いペースで進んでいるそうです. 西原村の北部に位置する古閑集落・葛目集落・大切畑集落の3集落についてご紹介します.これらの集落は斜面地に位置する中山間集落であり、等高線に沿って住居や納屋庭が配置されています.一部の住居敷地内には牛舎も見られ、木造家屋群や集落前面の水田や遠くに阿蘇方面の山々をのぞむ段々畑などから構成され自然が豊富な地域です。主に米サツマイモの栽培が行われているようです.また各集落入口付近には集会場がありそこで住民らが集まっていることが考えられます.

 これらの集落も熊本地震で建物の多くが損壊し、道路や川の護岸、擁壁も崩壊しました.2017年4月現在でほとんどの解体作業は完了していて家屋の被害を受けた住民は西原村の小森仮設団地や集落外の親類の家などで生活しています.農道や田畑も被害を受け、震災を機に農業をやめる世帯も多いそうです。その一方で既に解体された住居敷地内には自家菜園や植栽、またボランティアによる植栽が行われていて、元の住まいを離れても自分の敷地を管理している様子がうかがえます.また少しずつ道路や擁壁の修復も行われており、集会場も今後建て替える予定であり集落の復興が始動しています.大切畑集落と葛目集落では半分の世帯が集落内で再建をする意向があるそうで、今後の集落全体の再建をいかに進めるかが重要になってくると考えられます.

 昨年10月,本年4月の調査に引き続き、今後もこれらの集落について現地調査を行う中で、古閑集落・葛目集落・大切畑集落の集落再建について知見を得ていきたいと思います.

2017/5/10記


八王子市愛宕小学校 安全安心マップづくり授業

南大沢キャンパスから歩いて20分ほどの場所にある,愛宕小学校4学年の児童を対象に,防犯と事故防止の視点からの「安全・安心まっぷづくり」授業に研究室として協力しました.

 当日は,研究室学生で寸劇も交えて「安全・安心」について伝えると同時に,子供たちと会話をしながら,多摩ニュータウン上柚木地区を歩き,普段とは少し違った視点で,遊び場や通学路を確認していきました. 給食も試食させていただき,昼休みは「鬼ごっこ」など,たくさん子供たちに触れあうことができ,充実の半日となりました. 愛宕小学校ホームページにも,当日の様子を紹介いただきました.

2017/4/26記


研究室2月東北ツアー

2011年10月に都市防災・災害復興研究室発足以来,実施している2月の東北ツアー,今回は2/27(月)-28(火)に, ・唐桑町舞根集落を訪問し,畠山信さん(NPO森は海の恋人)のお話を聞く ・南三陸歌津,志津川の中心部 ・女川中心部 ・女川町高白浜集落の八木純子さん(ゆめカフェ)のお話を聞く ・石巻日和山,中心部の再建状況 を研究室メンバーで訪問,東日本大震災から6年目の「いま,ここ」をそれぞれ,心に刻みました.

2017/2/29記


大学生ボランティア活動展2017in多摩平へ出展

日野市と八王子市ボランティアセンター主催の「大学生ボランティア活動展イベント2017in多摩平」に出展. 気仙沼や熊本での集落復興支援,八王子での事前復興まちづくりの活動についてパネル出展します.また,伊豆大島Projectの学生メンバーが活動発表も予定しています.首都大学東京ボランティアセンターのスタッフに感謝です.

2017/1/30記


台湾銘伝大学 都市計画・防災管理学科との教育交流セミナー

台湾銘伝大学と首都大学東京都市システム科学域との学生主体の教育交流セミナー 災害復興・都市防災研究室では,交流セミナー主幹として,プログラム企画提案や当日運営を担っています. 今年度は12/9-10に開催され,台湾の大学チームが本学を訪問し,相互の学生からの発表とディスカッションを実施しました. 本研究室からも3名の学生メンバーが,雄勝の住まい再建,熊本地震集落再建調査,伊豆大島避難計画調査,について英語でプレゼンを行いました.今後も交流活動を継続していきます.

2016/12/23記


八王子市愛宕小学校 安全安心マップづくり授業

M2の土屋です. 去る10月25日に開催された,第5回上柚木地区防災訓練(八王子市立愛宕小学校)の報告をします. 今年で5回目を迎える訓練には体育館に100名弱の保護者が集い,冊子『東京防災』を用いての市古講演に始まり,地震発生後のシミュレーションを含むグループトークなどのプログラムを消化しました.またサブプログラムとしてサバイバル料理体験,防災アプリ体験,トレーラーハウスデザインゲーム等のスペースも設けられ,盛りだくさんの3時間となりました. プログラムの「目玉」ともいうべきグループトークでは,おもに「地震発災直後の安否と集合まで」,「上柚木地区の防災訓練をより魅力的なものにするために」,「災害時に子供を見守る」等のテーマに分かれ,現状抱いている不安やその解決策について話し合いを行いました.私は上柚木地区恒例となっている愛宕キャンプ(小学生や保護者,地域住民が集い,実際に体育館で宿泊訓練を行う)や総合防災訓練の反省を踏まえ,「上柚木地区の防災訓練をより魅力的なものにするためにできることは何か」というテーマについて,参加者の方と話し合う機会に恵まれました. 上柚木地区の特徴として,住民の防災に関する意識や知識水準が非常に高いのはもちろん,こうした訓練を継続して行う「計画・実行力」が挙げられます.一般的に防災訓練には,運営側,参加者側双方の視点から「大変そう」というイメージが少なからずあるかと思います.しかし,上柚木地区では「子供を核に」成人もそこに集うしくみがあること,また参加者だけでなく,スタッフの側もともに楽しみ,さらに良いものを作り上げていく風土が醸成されていることが大きいと考えます.グループトークでは「キャンプでは子どもたちが普段あまり交流しない友達とも仲良くなれた」,「一人ひとりの能力や特技が災害時にも貴重な社会資源である」等,非常に示唆に富んだ意見も多く出て,私としても気づきのある有意義なものであったと思います. そして,なんといっても特筆すべきはこの訓練の実行委員会のメンバーが「全員,お母さん方(女性)」で構成されている点にあります.実際に,3.11の時にも父親は仕事中で日中家におらず,子供の安否確認はおもに地域のお母さん方が行ったという報告が多くなされています.災害発生時における女性の役割がますます高まっている昨今,こうした取り組みを事前に行い,有事に備えることはハザードや地域特性を問わず大切になってくるかと思います. 今年度の活動はこれにて終了となりますが,今後とも現場から多くを学び,また少しでもその力になれればと考えています.いろいろとご指導くださったスタッフの皆様,訓練に協力していただいた参加者の皆様,ありがとうございました.

2015/11/30土屋亮,記


第18回杉の下住まい再建WSと現地調査

M1の土屋です. 気仙沼での勉強会に初めて参加しました.実際に現場へ足を運ばないと得られない多くの学び・気付きがありました。以下にその一部を記します. 初日の杉の下集落の人たちとの勉強会を終えた後、階上長磯浜防集協議会の住まい再建勉強会にも参加させていただきました.杉の下での勉強会は18回を数える首都大チームにとっても長磯浜防集協議会のメンバーとは初顔合わせということもあり、序盤はお互いに硬さが見られたように思います.しかし、M1高橋くん作成の模型、市古・連・大木3先生のファシリテーションにより結果的に非常に有意義な勉強会となりました.専門家が住民に寄り添い必要な情報を適切に提供すること、住民と地域行政の潤滑油になることの重要性を肌で感じさせられる貴重な体験となりました. 2日目は気仙沼市役所にお邪魔をし、防災情報係の方との打ち合わせに参加したことが印象に残っています.宮城県教育委員会では平成24年度から公立学校に防災主任および主管教諭を設置していること、学校と消防・警察、地域との連携のあり方には検討の余地を残すとの貴重な示唆をいただきました.2日間を通して住民・行政・専門家間の連携の重要性および難しさを感じました.修士論文を書くにあたってアウトプットの質量を高めていけるよう、今後も足繁く現場に足を運び多くの学びを得たいと考えています. 追伸;三陸の海の美しさも素晴らしいものでした。ぜひ多くの人に足を運んでほしいと思います.

2014/4/29記


多摩消費生活センターとのコラボWS

東京都の多摩消費生活センターとのコラボで, 「東日本大震災に学ぶ新しいBosaiのカタチ」として全二回の防災WS企画運営を研究室として実施しました. 1/28の第二回WSでは,学生メンバーもグループ討議に参加し,日頃のフィールドワークの経験を元に意見を出し,企画運営に従事.石巻でいつもお世話になっている吉永さんとも話しができ,有意義な場となりました.

2014/1/30記


栄村発災3年再建集落フィールドワーク

発災から3年が経過した長野県栄村を研究室メンバーで訪問. まだ雪の残る青倉と小滝集落で,住宅再建の実態を把握. サチくんのM論の御礼もかねて. 栄村の魅力は,美しい山並みの遠景,古民家と水田の織りなす近景,集落の良さをなんとも素敵な笑顔で話してくれる村民の方々,みずみちが作り出す「さらさら」というサウンド,山からの風を感じること,と,まさに五感のすべてが反応するところ.それは今回,春に訪問したから,というだけでなく,夏には夏の,秋には秋の,そして冬には冬の「五感」の刺激がある. お世話になった方々の元気な様子をみてホッと安心. 引き続き研究室として再建調査を継続したい.なお,来月5/16の地域安全学会春の大会と9月の建築学会大会で栄村の報告を予定しています.

2014/4/20記


建築学会 復興まちづくり展に出展

2014/3/4-14まで建築会館(三田)で開催される「復旧復興支援まちづくり展」に市古研究室から 気仙沼階上杉の下集落における住まい再建支援 のパネル出展をします. 会場には,建築・まちづくり分野の復興支援の活動報告が一同に会します. 市古研究室の復興支援の特徴もうかがえるかと思います.

2014/3/1記


東松島・女川・石巻研究室調査

2/17-19と研究室フルメンバーで東松島・女川・石巻の調査に. 来年度配属の決まった学部3年生も参加. M2のサチくん,B4のエマくんとは最後の現場調査. 今年度の区切りと,来年度に向けて,始動開始です.

2014/2/25記


野田村復興まちづくりCWS現地報告会

2013年度の野田村復興まちづくりシャレットワークショップの報告会を野田村で開催. 漁業,農業,木工房といった「なりわい」再建について,夏の体験ツアーをもとに,活動報告と提案をおこないました. 夏にお世話になった野田村のみなさん,野田村商工会青年部のみなさん,野田村でグリーンツーリズムに取り組むS女史,大阪大学渥美研究室のみなさんの参加と対話で,想像以上に交流がすすみました. 学生メンバーふくめ,来年度に向けての手応えを感じた会になりました.

2014/2/18記


銘傳大學との交流セミナー

8/20-21に台湾銘傳大學の都市規劃與防災學系と都市システム科学域の国際交流セミナーが南大沢にて開催され,市古研究室でそのホスト役を務めました. 研究室学生も,学生交流セッションにおける発表プレゼン,学生南大沢ツアーのガイド,江戸川区と豊島区のテクニカルツアーのサポートとして大いに貢献しました. 来年は,台湾へ訪問も予定しています.

2013/8/22記


気仙沼市階上地区 津波避難計画WS

学部4年の井口です. 5月17日、27日に気仙沼市階上地区で行われた津波避難計画ワークショップに参加しました.気仙沼市のワークショップは、東日本大震災で実際に津波被害にあわれた地域で行われるということで注目度も高く、その中でも階上地区は気仙沼市14地区で予定されているワークショップの最初の地区になります。今回はその一部を報告したいと思います.  5月17日の第1回ワークショップでは、始めに市の職員、専門家の方々からワークショップ開催の趣旨と気仙沼市の津波対策の現状や津波避難計画について説明があり、その後3グループにわかれてのグループワークが行われました.グループワークではまず住民の方々が震災当時の避難行動を振り返り、震災当日に「避難を開始した場所はどこか、避難手段はなにか」「大津波警報を知った場所はどこか」「道路の被害はどうだったか」など当時の避難の様子を話しながら地図や付箋に書き込んでいく作業が進められました.階上地区の方々の避難行動は市の職員や専門家も感心するほど早く適切に行われており、この地区の防災意識の高さが実感できました. 27日の第2回ワークショップでは前回と同じ3つのグループに分かれて実際に地区防災マップを作成しました.机に地図を広げながら、既に指定されている避難場所や避難経路、液状化などの危険箇所について住民の方々が積極的に意見を出していました.特に印象に残っているのは、住民の方々が自分の家だけでなく避難場所や避難経路の標高を常に意識しているということでした.津波から的確に避難するためには標高は大切な情報ですが、住民一人ひとりが値を細かく把握して避難計画を考える姿勢は見習いたいと思います. このワークショップは震災の経験を活かし後世に伝えるための重要な場であり、まだ職員の方々も手探りしながらではありますが住民の方々と一緒に丁寧なワークショップを行っていると感じました.これから階上地区では実際に作ったマップを元にした避難訓練などが行われる予定です。今後もワークショップに参加しながら階上地区における津波避難計画作成のプロセスを見ていきたいと思います.

2013/5/30記


第12回気仙沼S集落 集落復興WS

防災集団移転事業による住宅再建.第12回勉強会で,1/200スケールのデザインゲームを通して,最終方針が決定となった.いったりきたり,とWSプログラム上の課題はあったが,住民メンバー自ら,住まいのデザインに主体的に関わる場になったこと,のちほどしっかり考察したいと思っている. 第12回勉強会では,「住まいのコラージュ」も実施.理想の住まいについて,雑誌やチラシから好きなイメージを切り取って,貼り合わせる作業だ.311前のK集落の住まいの豊かさがじんわりと伝わってきた.こういった,じっくりとした関わり.「寄り添うプランニング」として,そのうち理論化していくことも考えたい.

2013/9/15記


第11回気仙沼S集落 集落復興WS

5月に気仙沼市役所と打ち合わせし,8月には,測量と実施設計の受託会社が決まることをうけ,市役所,コンサルタントの参加のもと,造成工事の実施設計についての話し合いをもちました.これから長く生活していく土地ですので,ぎりぎりまで,プランを再検討していく方針で,あらためて問題点や改善点について集中して検討しました. 終了後は,夏休み期間ということもあり,コテージ菊田にて,地元の方とバーベキューで懇親を深めました.酔いもまわったころ,杉の下でのわかめ漁の話や,「日本一のいちごをつくるぞー」といった話も出され,K集落では,生活となりわいの再建について,次のステップに進みつつあります.

2013/9/15記


第10回気仙沼S集落 集落復興WS

ちょうど1年前に始まったS集落の住まい再建WSも気がつくと今回で10回目. 「住まいの再建」という仮設住宅で暮らす方々にとって,本当に大事で重要な課題であるがゆえ,全くマンネリになることなく,毎回,ちがった局面があらわれる. 今回は,宅地造成方針の目処をふまえて,住宅本体の再建について,勉強会. 連さんから「家族の絆を強めるいえづくり」と「コスト・コントロール」について,プレゼンのあと,みんなで質疑相談.参加者の方も,これまでになかった真剣な表情に.

2013/8/10記


第9回気仙沼S集落 集落復興WS

造成計画を絞り込んでいくべく地域メンバーへプレゼン. その後,現場でテープを貼って,宅地や緑地の大きさ,位置関係について確認してみた. 地域メンバーがこれまでとはちがった意味で,ほがらかな雰囲気に. これまで以上に,これからの勉強会,大事です. 準備,がんばっていきましょー.

2013/8/10記


第8回気仙沼S集落 集落復興WS

4/7の第7回WSから市役所打ち合わせを経て迎えた第8回WS. 市役所側から5つの案が用意され,いかによい住宅地に再建していくか,地元メンバーのアイディアを空間に纏めるべく,専門家チームの真剣勝負が展開されました. 市古研学生チームとして「中央緑地」のイメージについて事前スタディし,プレゼンをおこないました.

2013/8/10記


第7回気仙沼S集落 集落復興WS

気仙沼杉の下での第7回勉強会に研究室として参加しました. いよいよ,防災集団移転として動き出します.

2013/8/10記


町田市防災リーダー講習会2013

2008年から声をかけていただいている町田市の地域防災力向上に関するProject. 昨年度からは,町田市の基本計画にも位置づけられ,防災リーダー講習会として展開中だ. 今年度も引き続き,お手伝いをさせていただいた. 長年,地域防災活動に取り組まれている方のご参加もあり,「なるほど」という智慧をいくつも教えていただいた.参加者の方も,手応えを感じたいただけたように思った.

2013/8/10記


栄村発災2年再建調査

発災2年の集落再建調査を実施. 栄村チーフのサチくんを中心に,学生2人も調査助手として参加. 本格的な復興期に入った栄村の「いま」を確認する調査となりました.

2013/8/10記


池袋本町での復興まちづくり訓練第3回

豊島区池袋本町地区の震災復興まちづくり訓練も,いよいよ佳境. 第3回目は「復興まちづくり方針をつくる」というテーマ. 想定プロセスイメージとして,大地震発生1ヶ月後くらいの段階で,地域としての「復興まちづくりのキックオフ」として,区役所から方針説明がなされる段階を想定した. 区役所と地域組織を主体に,専門家側はそのプラットフォーム形成支援,というスタンスで訓練事務局を努めた. ファシリテーターを担当し,大学側としてコメントをさせていただく機会をいただいた.そこで指摘させていただいたのは次の4点. (1)地域内を縦断する都計道72号と83号について,問題はその「デザイン」にあることが明らかになったように思う.歩道をゆったり確保する,沿道建物と道路との空間イメージが大事なのではないか. (2)区からの提案にあった「復興住宅」の事業スキームが本来は肝要.「公営」でないことに意識する必要がある.民間のチカラを借りて,現在の借家率56%の地域の賃貸住宅の再建像に,いかに関与できるしくみを作れるか. (3)各テーブルから指摘があったが,復興事業の「優先順位」や「プログラム」の検討提案は大事.生活と住まい再建を最優先に,また手戻りを最小限に抑える方向での基盤整備のプログラムをいかに描けるか. (4)「みんなの声をいかした復興」という提案があったが,公正かつ速やかに,復興まちづくりを進めるしくみ,について制度設計面で再検証が必要と感じた. 担当したテーブルで印象的だったことは,「公共施設整備重視」の区画整理でなく,「細街路整備重視」のミニ区画整理を地元からの提案で,という点. 事業から計画へ,というアプローチは避けたいが,事業を「公正かつ速やかに」組み立てていくための「プランニング」の必要性は必ずある,と思う.

2013/8/10記


池袋本町での復興まちづくり訓練第2回

「現地にとどまって復興をすすめる」ための時限的市街地の検討にフォーカスした復興まちづくり訓練第2回に研究室として従事. 研究室メンバー一同,朝からおつかれさまでした. 池袋本町らしい復興まちづくりのプロセス,事業とまちづくり協議会の関係性について,参加者のつぶやきを整理して,次回のプロセス・デザイン提案につなげたいと思います.

2013/8/10記


池袋本町での復興まちづくり訓練第1回

豊島区池袋本町での第1回震災復興まちづくり訓練が実施される.研究室として企画運営に協力. これから年内をかけて,震災復興の視点から,まちを観察し,地域の方と話をし,復興への備えについて,考えていきます. 地域の方とまちを点検していて,気がついたのは次の通り.地域の方によれば「減った」とはいえ,設備共用でくつを脱ぐ共同玄関のある中廊下式の賃貸木造住宅がやはり印象深い.住家被害が生じた場合,このような住宅形式が再生産されることは考えにくいが,では,どんな住宅形式の建設が想定されるか.また誘導すべきか.老朽木造賃貸住宅にかわる集合住宅形式として考えられる水準.<延焼被害が生じなった場合,道路の拡幅は現在のまま,となるのか.それであっても,中心線と官民境界を決めておかないと(地籍調査をしないと),自力住宅再建のブレーキになってしまうだろう.復興の地域組織として,現在の(発災時の)リーダーが役割を果たすと同時に,新しいリーダーが出てこないと町の復興として難しい,という印象と期待を参加した現町会リーダーは感じていた.

2013/8/10記