学生コラム

市古研究室での2年間を振り返って(土屋亮)

土曜日, 3月 12th, 2016
■修士研究について

 大規模災害は,その地域が抱える内在的な課題を20年先倒しで顕在化させるといいます.この点において,2011年に起こった東日本大震災は,人口減少社会における初の大震災であり,まさに時代の転換点の到来とも言えるインパクトを私たちにもたらしました. 修士研究の対象地に選定した気仙沼,研究室のプロジェクトで訪れた石巻,野田村,いわき….2年間かけて数々の被災地を訪れる中で,感じたことがあります.それは「どんな人(社会)も,立ち止まれど,また歩き出す」ということです.やや正確さを欠いた表現ですが,もう少し厳密に言えば「どんな地域も,レジリエントな(回復力のある)コミュニティたるポテンシャルは持っている」ということです.しかし、何らかのボトルネック―それが空間特性によるものなのか,制度設計によるものなのか,または地域が持つ歴史や風土によるものなのかはそれぞれですが―により,復興まちづくりが進まない,立ち遅れているといったケースもみられます.そのボトルネックを外し,地域が持つポテンシャルを最大限引き出す「技術」を学びながら,かつ自らも発信することをターゲットに,2年間の修士研究を進めてまいりました.

 修士研究のテーマは「東日本大震災における学校-地域の共同対処行動と災害後の防災体制の再構築に関する研究—気仙沼市階上地区を対象に—」とし,気仙沼市階上地区の取り組みを事例に,文科省が提唱する「学校からのまちづくり」のいまについてまとめました.先ほど「どんな地域にもポテンシャルはある」と述べました.それはすなわち「どんな地域にも,その地域を愛し,新たなまちづくりへの思いを持ったアクターが存在する」ということです.しかし,そうした個々の思いは何らかの形で発現されねばならず,またそれを可能にするフィールドが必要です.そうした個々の「思い」を結集し,また人々がネットワークを築き上げる拠点としての「学校」組織・施設がもつ可能性に着目し,復興まちづくりにおける方法論的可能性について考えました. もちろん,修士「研究」ですから,単なる調査報告やエッセイとは区別される必要があり,研究仮説の設定,仮説と結論の整合性の検討など,試行錯誤を重ねる必要がありました.また,研究室会議や玉川研究室との合同ゼミ,都市システム科学セミナーの中でいただいたコメントやディスカッションの内容も,修士研究を完成させるうえで血となり肉となったと感じています.インタビュー調査に応じていただいた気仙沼の方々を含め,私の修士研究に関わってくれたすべての方に感謝したいと思います.


■後輩たちへのメッセージ

 今ある環境に感謝し,最大限(その環境を)生かす心づもりでいれば,充実した時間を過ごせるのではないでしょうか.これからも,できることとできないことはあると思いますが,私も皆さんに負けないように,次のフィールドでも自分らしく頑張っていこうと思います.またどこかでお会いしましょう.2年間ありがとうございました.

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M1の11月に大学院のインターンシップでシリコンバレー近郊へ。Evernote等IT企業、スタンフォード大学、UCバークレー等を訪問。この写真は某IT企業にて修士研究についてのプレゼンテーションを行ったときのもの
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